今、西日本と辺野古で起きていること
辺野古基地建設の埋め立てに使われる土砂が
本土から大量に搬出されます。
辺野古新基地の埋め立てに必要な岩ズリは、約1690万m3、10トンダンプ約360万台分に及びます。当初計画では、そのうち75%が、奄美・九州や瀬戸内海など沖縄県外6県から持ち出される予定でした。しかし、埋め立て予定の大浦湾一帯に軟弱地盤が存在することが明らかになって大規模な地盤改良工事が必要になり、変更申請が行われて、その際に土砂採取地は沖縄県内又は九州地方を中心にすることが目論まれました。どこからどれだけの量を採取するのかは明らかにされませんでした。結局、変更申請が不承認となり、計画上は本土からの土砂採取が復活しています。私たちのふるさとの土が、戦争に使用される軍事基地の建設のために使われようとしているのです。
辺野古の海が破壊され、
外来生物により沖縄島の生態系が破壊されます。
新基地は、サンゴ類、ジュゴンやウミガメの棲む生物多様性の豊かな海を埋めてつくられます。また埋め立て土砂と一緒に、アルゼンチンアリ、セアカゴケグモやアレチウリなど、沖縄には生息しない外来生物が沖縄へ運び込まれ、沖縄固有の生態系が破壊される危険性があります。これらは生物多様性条約やそれに基づいた生物多様性国家戦略に違反する行為です。
埋め立てにより、
戦争に使われる米軍基地が建設されます。
当初の計画では5年の工事予定、工費は2355億円とされていました。変更申請では10年4カ月、工事費も3倍以上の7200億円とされましたが、沖縄県は完成まで13年以上、総工費2兆6500億円という独自の試算を示しました。
変更申請の不承認により地盤改良工事を行えないため、埋め立てを完了させることができない状態です。市街地に存在する普天間基地の危険性除去が名目の工事でした。この埋め立ては何のため、誰のためのものなのか? 港湾機能を備えた使い勝手の良い新基地建設が目的ではないでしょうか。
辺野古の基地建設は、土砂の搬出元となる本土の問題でもあります。「もう埋め立ては始まってしまったのだから仕方ない」と思われるかもしれませんが、土砂の投入量は約14%にすぎません。(2023年3月末現在)
私たちは「外来生物によって沖縄の自然を破壊したくない」「故郷の土を戦争に使われる基地建設のために使ってほしくない」という2つの思いから活動を続けてきました。
軟弱地盤に対応するため沖縄防衛局が沖縄県に提出した「設計概要変更申請」に対して、土砂全協では
パブコメ意見を提出しました。沖縄県は多くの意見書も踏まえて、2021年11月25日に不承認の決定を行っています。
辺野古の基地建設は、まだ止められる。今止めなければならない。そのために、さまざまな活動に取り組んでいます。みなさまの力をお貸しください。

署名で協力する
辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議が、辺野古新基地建設の断念を求める「国会請願署名」の
取り組みを行っています。国会に請願書を提出して、県民投票や知事選挙で明確に示された
沖縄県民の民意を尊重した国会論議を求め、地方自治に反して一方的に押し付けている
辺野古新基地建設の断念を求めるものです。ご協力をお願いします。
署名呼びかけページ(オール沖縄会議)
寄付で支援する
土砂全協の活動のために、寄付でのご支援をお願いいたします
- 【振込先口座】
- 郵便振替 01750-8-144158 辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会
- 寄付金の使用用途
- 主に活動報告のための機関誌制作費、事務費、広告宣伝費、交通費など詳細は決算報告書をご覧ください。
- 決算報告書
- 第7期決算(2021年度) / 第6期決算(2020年度) / 第5期決算(2019年度)
ABOUT US
土砂全協の成り立ちについて
2013年3月、琉球新報の報道で、辺野古基地建設に使われる埋め立て用土砂が西日本各地から採取されることが判明しました。それを受けて、環瀬戸内海会議は総会で辺野古土砂問題を提起。同年12月に環瀬戸内海会議は、沖縄県、防衛省、環境省に対し、辺野古埋め立て用土砂採取に反対であるという意見を申し入れました。2015年2月に奄美会議も加わり、共同で防衛省、環境省に採石中止を申し入れ、同年5月に奄美市で土砂全協が発足(7団体)。署名運動を開始しました。
その後、土砂の搬出元となる地域で新たに団体が設立されるなどして、2016年4月には沖縄県も含む8県10カ所の土砂搬出地、ケーソン製造地が連携。現在は13都府県の20団体が加盟しています。土砂全協の規約
加盟団体一覧
- 環瀬戸内海会議(事務局 岡山県)
- 辺野古のケーソンをつくらせない三重県民の会(三重県)
- 海の生き物を守る会(京都府)
- 播磨灘を守る会(兵庫県)
- 小豆島環境と健康を考える会(香川県)
- 辺野古に基地をつくらせない香川の会(香川県)
- 広島と沖縄をむすぶドゥシグヮー(広島県)
- 「辺野古に土砂を送らせない!」山口のこえ(山口県)
- 辺野古土砂ストップ北九州(福岡県)
- 五島列島自然と文化の会(長崎県)
- 辺野古埋立て土砂搬出反対熊本県連絡協議会(熊本県)
- 辺野古土砂搬出反対うきの会(熊本県)
- 南大隅町を愛する会(鹿児島県)
- 手広海岸を守る会(鹿児島県)
- 奄美市住用町市環境対策委員会(鹿児島県)
- 自然と文化を守る奄美会議(鹿児島県)
- 鹿児島に米軍はいらない県民の会(鹿児島県)
- 本部町島ぐるみ会議(沖縄県)
- 島ぐるみ会議名護(沖縄県)
- 辺野古土砂搬出反対!首都圏グループ
主な活動内容
- オンライン学習会「大軍拡と大増税は 何のためか」を開催しました
- 埋立変更計画不承認に際して声明を出しました
- 辺野古への埋め立て用土砂搬出に対し反対を表明する署名を集める活動
西日本からの土砂搬出計画の撤回、辺野古新基地建設の土砂投入の中止を求める請願署名、61 万余筆を2019年6月10日に国会に提出しました。21年4月の追加提出で計628,719筆になりました。 - 防衛省、環境省との交渉
2021年4月の防衛省、環境省交渉の報告は「つながる力」No19で
2020年12月に防衛省から得た文書回答はこちら - 各県(鹿児島、熊本、長崎、福岡、山口、香川)との交渉
- 沖縄県の土砂条例の改正要請
- 沖縄学習交流会
発行ニュース
土砂全協のこれまでの発行ニュース